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繰り返しバブルの理論と経済成長および景気循環への含意

2018年3月12日
パブロ ゲロン=クウィンターナ*1
平野智裕*2
陣内了*3

全文掲載は、英語のみとなっております。

要旨

資産価格バブルがマクロ経済パフォーマンスに与える影響を分析した。バブルの発生と崩壊の両方を明示的にモデルに取り込んだ。バブルの崩壊を予期することがバブル期の行動に影響を与えるだけでなく、バブルの再来への期待が、バブルが生じていない時期の行動にも影響を与えることが理論的に示される。このような環境では、バブル期の経済成長率が、それ以外の時期の経済成長率よりも高くなる傾向が非常に強いことが分かった。つまり、バブルの崩壊はそれ自体が大きな不況が引き起こすのみならず、その後、長期にわたる低成長をもたらすことが分かった。また、金融市場の未成熟な経済は資産バブルをあえて許した方がバブルを排除するよりも長期的には高い経済成長率を実現でき、逆に金融市場が発達した経済では資産バブルは経済成長率を長期的には低くする可能性も示された。応用として、米国経済がいつバブル経済にあったかについて最尤法で推定した。

  1. *1ボストンカレッジ E-mail: pguerron@gmail.com
  2. *2東京大学 E-mail: tomohih@gmail.com
  3. *3一橋大学 E-mail: rjinnai@ier.hit-u.ac.jp

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