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オプション市場からみた円金利・為替相場のリスク認識の変化 ―2022年以降の米欧利上げ局面でのインプライド確率分布の動向―

2024年1月24日

金融市場局 米山瑛仁*、土屋晶嵩**、福間則貴
*現・福岡支店
**現・総務人事局

要旨

本稿では、2022年以降の米欧中銀による利上げ局面で上昇圧力がかかった円スワップ金利とドル/円レートについて、オプション価格から各営業日における将来の価格のインプライド確率分布を抽出した。インプライド確率分布を抽出することで、リスク・リバーサル等の簡便な指標では把握できない、市場参加者のリスク認識の全体像を捉えることができる。結果をみると、円スワップ金利市場では、金利上昇警戒感が、22年半ばにかけて海外金利が上昇する中で大きく高まり、長期金利の変動幅拡大を決定した2022/12月金融政策決定会合後に一段と高まったが、その後和らいだ。また、ドル/円市場では、2022年秋にかけては、円安進行とともに先行きの円安警戒感も高まったが、2023年秋は、前年と同程度の水準まで円安が進む中でも、先行きの円安警戒感は2022年秋ほどには高まらなかった。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。
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