このページの本文へ移動

わが国における社債発行スプレッドの動向

English

2023年9月27日

企画局 落香織、長田充弘

要旨

金融政策の波及経路の1つとして、貸出やCP・社債市場における企業の資金調達環境を通じた影響がある。このうち社債発行市場について最近の動向を確認すると、2022年半ばから2023年初にかけて、社債発行スプレッドの拡大がみられた。こうした社債発行スプレッド拡大の背景について、銘柄別のパネルデータを用いた定量分析などからは、(1)資源価格上昇に伴う運転資金需要の高まりや、(2)海外中央銀行の金融引締めに伴う海外の金融環境の引き締まりの波及といった要因のほか、(3)わが国国債市場における機能度低下も影響していた可能性があることが示唆された。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。
内容に関するご質問等に関しましては、日本銀行企画局政策企画課(代表03-3279-1111)までお知らせ下さい。