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プライベートデットファンドの融資手法 ─ ダイレクトレンディングの特徴 ─

2022年2月10日

金融機構局 直野未悠*、渡邊真一郎
*現・岡山支店

要旨

プライベートデット(PD)ファンドは、主に信用力の低い企業への直接融資を行うファンドであり、その運用資産残高はグローバルにみて1.1兆ドルまで拡大している。他のデット性商品に比べてリターン水準が高く、キャッシュフローが安定していることなどから、機関投資家からの人気が高まっており、今後も拡大が見込まれる。金融システム全体において、PDファンドは、中堅・中小企業(ミドルマーケット)に対するデット供給者として、バンクローンを補完する機能を有している。ただし、PDファンドの多くがレバレッジドバイアウト(LBO)ファイナンスに融資案件を見出している中、被バイアウト企業のレバレッジは高い水準にある。今後は、被バイアウト企業のデフォルト増加などのリスクに留意が必要である。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。
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