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決済の法と経済学

2016年3月11日
決済機構局 山岡浩巳、渡邉明彦、竹内千春

要旨

決済システムは経済社会の中核をなすインフラであり、資金や証券の決済が幅広い主体間で安全かつ効率的に行われることは、経済の発展にとって重要である。現在、情報技術革新が決済にさまざまなイノベーションをもたらしている中、決済システムのあり方を考えていく上では、法も含めた決済に関連する制度が経済主体にどのようなインセンティブを与え、彼らの行動が決済の効率性や安全性、さらには金融システムの安定や市場の発展などにどのように影響するのかなどを考察していく必要がある。その際には、決済に応用可能となった新しい情報技術も踏まえ、(1)決済が連続して(back-to-backで)行われることに配慮した、決済を「前に進める」制度設計、(2)決済システムの「ネットワーク外部性」や「システミックリスク」への考慮、(3)決済に必要な情報を守る仕組み、などが重要な論点となろう。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。

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