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2008年度銀行決算の概要

2009年7月16日
金融機構局 経営分析担当

要旨

わが国銀行の2008年度決算は、大手行、地域銀行ともに、2003年度以来の最終赤字となった。これは、(1)銀行の基礎的な収益を表すコア業務純益が非資金利益の減少を主因に減少するなか、(2)保有株式の減損・売却損の増加から有価証券関係損益が大幅に悪化し、(3)貸出先企業の倒産増加や業績悪化に伴い信用コストが急増したことによる。この間、不良債権比率は、大手行では7年振りの上昇に転じた一方、地域銀行では7年連続で低下し、また、自己資本比率は、大手行、地域銀行ともに2年振りに上昇した。過去20年間の銀行決算を振り返ってみると、信用コストの増加や有価証券関係損益の悪化により、当期赤字が続くケースが度々発生した。銀行が貸出や有価証券保有のリスクとリターンのバランスの改善に向けた取り組みを着実に進めることを通じて、収益基盤を強化させていくことは、金融システムの安定性の維持という観点からも、引き続き重要な課題である。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。
ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。

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