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2014年の国際収支統計および2014年末の本邦対外資産負債残高

2015年8月10日
日本銀行国際局

要旨

日本銀行国際局は、これまで、国際収支統計と本邦対外資産残高の動向を、別々の日本銀行レポート・調査論文として公表してきた。しかし、本年からは、国際収支統計(2014年)と本邦対外資産負債残高(2014年末)の動向を合わせて解説することとした。これは、わが国の国際収支関連統計が2014年1月取引計上分から、国際収支マニュアル第6版(The Sixth Edition of the Balance of Payments and International Investment Position Manual、以下、BPM6)に移行したことを受けたものである。国際収支マニュアルは、国際収支統計や対外資産負債残高の作成に関してIMFが公表している国際基準である。国際収支マニュアルが第6版に改訂される際に、バランスシート項目の充実が図られており、経常取引、金融取引、対外資産負債残高をより有機的に結び付けた分析が可能となった。これは、通貨危機以降、バランスシートが抱える脆弱性に国際的な関心が高まる中にあって、IMFを中心に統計専門家が集い、議論を重ねた結果である。こうした流れに沿って、本稿でも、国際収支統計と本邦対外資産負債残高をより一体的に説明することを心掛ける。

また、本稿では、BPM6への移行に伴い新たに把握・分析が可能となった点について、いくつかのBOXを作成し、その動向を紹介している。まず、BOX1では、国際収支マニュアルがBPM6に改訂された背景に触れながら、わが国でのBPM6準拠統計への移行について解説している。その上で、BOX3とBOX7では、BPM6準拠統計への移行に伴い新規に公表を開始した計数を用いて、直接投資収益の業種別・地域別の動向や、円建て資産および外貨建て負債の状況を分析している。

日本銀行から

本稿の内容について、商用目的で転載・複製を行う場合は、予め日本銀行国際局までご相談ください。
転載・複製を行う場合は、出所を明記してください。

照会先

国際局国際収支課

E-mail : boj-bop@boj.or.jp