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2014年度の銀行・信用金庫決算

2015年7月30日
日本銀行金融機構局

要旨

2014年度の銀行・信用金庫決算の特徴は、次の4点である。

第一に、当期純利益はいずれの業態についても長期時系列的にみて高水準となった。主力の国内貸出における利鞘縮小・収益低下は継続しているものの、(1)海外貸出などの国際業務収益、(2)有価証券運用(利息配当金、売買益)、(3)手数料などの役務収益、(4)貸倒引当金の減少・戻入などが増益方向に寄与したことによるものである。

第二に、基礎的収益力を示す資金利益やコア業務純益に関しては、大手行と地域金融機関で違いがみられた。大手行では国際業務収益や役務収益の伸びから基礎的収益力の増加基調がはっきりしてきている一方、それらの収益の比重が低い地域金融機関では基礎的収益力は引き続き低下している。もっとも、役務収益については、金融機関の取り組みを受けて、地域金融機関も含め金融商品販売手数料を中心に増加しつつある。

第三に、金融機関の財務の健全性は向上している。これは、(1)収益の内部留保による自己資本の増加、(2)景気の回復に伴う資産内容の改善、(3)株価の上昇等に伴う有価証券評価益の増加などによるものである。

第四に、大手金融機関の事業内容やリスク・プロファイルの多様化・複雑化が進んでいる。3メガグループ等では、海外法人の買収やグループ戦略の推進等により、連結ベースでみたバランスシートの拡大、収益の連単差の拡大が続いているほか、オフバランス資産も増加した。

なお、本別冊では、収益・財務動向の定点観測に加えて、貸出先別の貸出金利の動向(大企業向け、中堅・中小企業向け、住宅ローン、消費者ローン等)、各種収益項目における投資信託解約益の影響、貸倒引当金の引当方法の状況等についてもやや詳しく分析した。

日本銀行から

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照会先

金融機構局金融第1課、金融第2課

E-mail : post.fsbe2@boj.or.jp