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第21回決済システムフォーラムの議事の概要

2024年3月26日
日本銀行

日本銀行では、わが国の決済システムを巡る実務面の諸課題について、主要な金融市場インフラ運営主体との間で情報・意見の交換を行うことを目的として、第21回決済システムフォーラムをオンライン形式で開催した。今次会合では、金融市場インフラを巡る環境変化と国際的な議論の動向や、各金融市場インフラにおける最近の取り組み等について情報共有を行った。

開催要領

開催日時:2024年3月15日(金)13:30~15:00

出席者 [PDF 61KB]

議題

  1. 開会挨拶
  2. 金融市場インフラを巡る環境変化と国際的な議論の動向
  3. ラウンドテーブル(各金融市場インフラにおける最近の取り組み等)
  4. 閉会挨拶

1.開会挨拶の要旨(日本銀行決済機構局長 武田)

本フォーラムは、わが国の決済システムを巡る実務面の諸問題について、主要な金融市場インフラ運営主体の間で情報・意見の交換を行うことを目的としております。2000年に発足し、今回で21回目を迎えました。

私は、昨年5月に、決済機構局長に就任いたしました。約9年ぶりに決済システムに関わる機会を得まして、まずは、この間に進展した様々な取組みに対して、関係者のみなさまのご尽力に心より敬意を表したいと存じます。また同時に、金融市場インフラを取り巻く環境の変化をあらためて実感しております。

例えば、証券決済期間の短縮、小口決済の24時間化、クロス・ボーダー送金の改善といった取組みは、安全性・利便性を向上させる一方で、金融市場インフラ・参加金融機関の双方において、より効率的な事務フローの構築を促しています。清算機関の役割は、量・質ともに拡大し、それに伴い、リスク管理や破綻時対応に関する議論が深化しています。また、新たな脅威として、サイバー攻撃への対応が急務となっています。さらには、分散型台帳技術等の新たな技術や、金融・決済サービスにおける新たなプレイヤーの登場に伴い、従来からの課題を新たなアプローチで解決する試みが積極化しています。

こうしたダイナミックな環境の下で、今後の決済システムの姿はどうあるべきなのか。日々の安定的なシステム運行や、堅実なリスク管理の運用において、安全性と効率性のバランスをどのように上手に取っていくことができるのか。金融市場インフラ運営者のみなさまとは、実務に根差した視点の下で、地に足のついた、かつ前向きな議論を今後も継続して行えればと考えております。

本日は、忌憚のない意見交換を通じて、わが国の決済システムの安全性・効率性の向上に向けた問題意識の一層の醸成・共有化を図ることができればと考えております。

2.金融市場インフラを巡る環境変化と国際的な議論の動向

日本銀行決済機構局から、BIS決済・市場インフラ委員会(CPMI)および証券監督者国際機構(IOSCO)において取り組んでいる事項を中心に、国際的な議論の動向について説明。

3.ラウンドテーブル(各金融市場インフラにおける最近の取り組み等)

  1. (1)全国銀行資金決済ネットワーク
    資料(全国銀行資金決済ネットワーク)に沿って、RC23シリーズ障害の概要、次期全銀システム開発プロジェクト、全銀EDIシステム(ZEDI)を前提としたデータ連携に係る課題・取組み等について説明。
    資料(全国銀行資金決済ネットワーク) [PDF 1,015KB]
  2. (2)全国銀行協会(外国為替円決済制度の運営主体)
    外国為替円決済システムの電文フォーマットのバージョン改訂への対応、FMI原則への対応状況等について説明。
  3. (3)証券保管振替機構・ほふりクリアリング
    資料(証券保管振替機構・ほふりクリアリング)に沿って、非上場株式の取扱い、上場日程の期間短縮・柔軟化に係る対応、障害発生時の決済時限の臨時延長に係る検討、名寄せにおけるマイナンバーの利用に係る対応、手数料の見直しについて説明。
    資料(証券保管振替機構・ほふりクリアリング) [PDF 241KB]
  4. (4)日本証券クリアリング機構
    資料(日本証券クリアリング機構)に沿って、金利スワップにおけるクロスマージンの対象拡大、新技術(DLT/AI)の活用、上場デリバティブ証拠金のVaR方式への移行、ユーロ円TIBORの恒久的な公表停止に係る対応等について説明。
    資料(日本証券クリアリング機構) [PDF 506KB]
  5. (5)東京金融取引所
    資料(東京金融取引所)に沿って、TONA3カ月金利先物の上場、金利先物等取引の損失補填制度の変更、「くりっく株365」上場商品の拡充、貸出債権取引プラットフォームについて説明。
    資料(東京金融取引所) [PDF 1,637KB]
  6. (6)DTCCデータ・レポジトリージャパン
    本邦における店頭デリバティブ取引情報報告制度の改正(報告先の取引情報蓄積機関への一本化、報告事項の拡充)を含む、取引情報報告制度の国際標準化にかかる動向等について説明。