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「補完供給を目的として行う国債の買戻条件付売却基本要領」の制定等について

2004年 4月 9日
日本銀行

 日本銀行は、本日開催した政策委員会・金融政策決定会合において、金融調節の一層の円滑化を図るとともに、国債および資金決済の円滑確保にも資するとの観点から、下記の諸措置を講ずることを決定しましたので、お知らせします。

  1. 「補完供給を目的として行う国債の買戻条件付売却基本要領」を別紙1.のとおり制定すること。
  2. 「補完供給を目的として行う国債の買戻条件付売却における売却対象先選定基本要領」を別紙2.のとおり制定すること。

本件照会先

企画室企画第2課

山田(03-3277-2800)
新見(03-3277-2813)

金融市場局金融市場課

坂本(03-3277-1302)
福田(03-3277-1246)


別紙1.

「補完供給を目的として行う国債の買戻条件付売却基本要領」

  1. 趣旨
    この基本要領は、金融調節の一層の円滑化を図るとともに、国債および資金決済の円滑確保にも資するとの観点から、本行が保有する国債を市場参加者に対して一時的かつ補完的に供給することを目的として行う国債の買戻条件付売却を実施するために必要な基本的事項を定める。
  2. 売買店
    本店(業務局)とする。
  3. 売却対象先
    金融機関(日本銀行法(平成9年法律第89号)第37条第1項に規定する金融機関をいう。ただし、整理回収機構および預金保険法(昭和46年法律第34号)第2条第13項に規定する承継銀行を除く。)、証券会社(日本銀行法施行令(平成9年政令第385号)第10条第1項第2号に規定する証券会社および同項第4号に規定する外国証券会社をいう。)、証券金融会社(同項第3号に規定する証券金融会社をいう。)および短資業者(同項第5号に規定する者をいう。)のうち、別に定めるところにより選定した先とする。
  4. 売却対象とする国債
    本行が保有する利付国債、割引短期国債および政府短期証券のうち、本行が適当と認める銘柄とする。
  5. 売却の決定
    売却は、売却対象となる国債の流動性が著しく低下していることが懸念される場合において、その影響が市場全体に波及する惧れがあるなど、本行が金融市場の情勢等を勘案して適当と認めるときに実施する。
  6. 買戻条件
    売却を行うに当っては、売却日の翌営業日(売却日が売却国債の利子支払期日の前営業日から起算して4営業日前の場合においては、当該利子支払期日。)に買戻を行う旨の条件を付する。
  7. 売却方式等
    1. (1)売却方式
      売却日から買戻日までの期間中の利回り(以下「期間利回り」という。)を入札に付し、コンベンショナル方式により決定して、これにより売却する方式とする。
    2. (2)売却の限度額
      売却総額ならびに銘柄ごとおよび売却対象先ごとの売却金額については、金融市場の情勢および銘柄ごとの本行保有残高等を勘案して、上限を設ける。
    3. (3)期間利回りの上限
      期間利回りについては、金融市場の情勢等を勘案して、上限を設ける。
  8. 売買価格
    1. (1)売却価格
      売却日における市場実勢相場等を勘案して銘柄ごとに定める価格(以下「時価」という。)を時価売却価格比率で除して得た金額とする。
    2. (2)時価売却価格比率
      時価売却価格比率は、売却国債の残存期間に応じ、次のとおりとする。
      1. イ.残存期間1年以内のもの 0.997
      2. ロ.残存期間1年超5年以内のもの 0.994
      3. ハ.残存期間5年超10年以内のもの 0.980
      4. ニ.残存期間10年超20年以内のもの 0.964
      5. ホ.残存期間20年超のもの 0.948
    3. (3)買戻価格
      買戻価格は、売却価格に、売却価格に売却日から買戻日までの日数に応じ期間利回りを乗じて得た額を加えた金額とする。
  9. 再売却
    1. (1)再売却の実施
      本行は、国債の売却を受けた売却対象先が希望する場合には、市場取引における取扱い等を勘案して定める回数の限度において、再売却を行うことができる。
    2. (2)再売却の買戻条件および売買価格
      再売却の買戻条件については6.の定めを、再売却の売買価格については8.の定めを、それぞれ準用する。
    3. (3)再売却の期間利回り
      再売却の期間利回りについては、当初の売却日から買戻日までの期間利回りを上限に、金融市場の情勢等を勘案して定める。
  10. その他
    1. (1)売却日等の決定
      売却日、売却金額、売却先、売却銘柄その他売却を行うために必要な具体的事項については、金融市場の情勢等を勘案して売却のつど決定する。
    2. (2)売却国債の利子の取扱い
      売却国債の利子支払期日が到来した場合には、売却先からその利子相当額の支払いを受ける。

(附則)

 この基本要領は、平成16年5月末までの総裁が別に定める日から実施する。ただし、3.の定めに基づく売却対象先の選定については、平成16年4月9日以降行い得ることとする。


別紙2.

「補完供給を目的として行う国債の買戻条件付売却における売却対象先選定基本要領」

  1. 趣旨
    この基本要領は、補完供給を目的として行う国債の買戻条件付売却に関する事務手続の明確化を図る趣旨から、「補完供給を目的として行う国債の買戻条件付売却基本要領」(平成16年4月9日付政委第37号別紙1.)に規定する売却対象先(以下「売却対象先」という。)の選定を行うために必要な基本的事項を定めるものとする。
  2. 売却対象先の選定基準等
    売却対象先の選定に当っては、「国債売買における売買対象先選定基本要領」(平成11年3月25日付政委第43号別紙2.)または「短期国債売買および国債の条件付売買における売買対象先選定基本要領」(平成14年9月18日付政委第109号別紙2.)に基づいて選定された売買対象先のうち、「補完供給を目的として行う国債の買戻条件付売却基本要領」に基づく国債の買戻条件付売却における売却対象先となることを希望する先を公募し、その公募に応じた先を選定するものとする。
  3. 売却対象先の選定頻度
    売却対象先は、原則として年1回の頻度で見直すこととする。
  4. 売却対象先の遵守事項等
    1. (1)売却対象先の公募に際しては、次に掲げる売却対象先としての遵守事項を明示するものとする。
      1. イ、正確かつ迅速に事務を処理すること
      2. ロ、金融政策遂行に有益な市場情報または分析を提供すること
    2. (2)売却対象先が(1)に掲げる事項に著しく背馳した場合には、売却対象先からの除外等の措置を講ずることができるものとする。
    3. (3)(2)に定める場合のほか、「国債売買における売買対象先選定基本要領」2.または「短期国債売買および国債の条件付売買における売買対象先選定基本要領」2.に定める基準に鑑み必要と認められる場合には、売却対象先からの除外等の措置を講ずることができるものとする。

(附則)

  1. (1)この基本要領は、平成16年4月9日から実施する。
  2. (2)この基本要領に基づく第1回目の売却対象先選定は、平成16年4月を目途に実施することとし、第2回目の売却対象先選定は、3.の定めにかかわらず、「国債売買基本要領」(平成11年3月25日付政委第43号別紙1.)、「短期国債売買基本要領」(平成11年10月27日付政委第163号別紙1.)および「国債の条件付売買基本要領」(平成14年9月18日付政委第109号別紙1.)に規定する売買対象先の見直しと同時に実施することとする。