「短期国債の条件付売買基本要領」および「国債売買における売買対象先選定基本要領」の制定等について
1999年 3月25日
日本銀行
日本銀行は、本日開催した政策委員会・金融政策決定会合において、下記のとおり基本要領の制定等を決定しましたので、お知らせします。これは、金融調節の一層の円滑化を図り、また金融調節に関する事務手続の透明性を向上させる観点から行ったものです。
記
- 「短期国債の条件付売買基本要領」 (注)・・・・・・・・・・・別紙1
- 「短期国債売買における売買対象先選定基本要領」(平成10年12月15日決定)中一部改正・・・・・・・・・・・別紙2
- 「国債売買における売買対象先選定基本要領」・・・・・・・・・・・別紙3
- 「国債売買基本要領」・・・・・・・・・・・別紙4
- (注)「政府短期証券の買戻条件付売却基本要領」(平成10年12月15日決定)および「割引短期国債の売戻条件付買入基本要領」(平成10年12月15日決定)は、平成11年4月1日付で廃止。
以上
別紙1
「短期国債の条件付売買基本要領」
1.趣旨
この基本要領は、金融調節の一層の円滑化を図る趣旨から、割引短期国債および政府短期証券の売戻条件付買入または買戻条件付売却を行うために必要な基本的事項を定めるものとする。
2.売買店
本店(業務局)とする。
3.売買対象先
金融機関(日本銀行法(平成9年法律第89号)第37条第1項に規定する金融機関をいう。)、証券会社(日本銀行法施行令(平成9年政令第385号)第10条第1項第2号に規定する証券会社および同項第4号に規定する外国証券会社をいう。)、証券金融会社(同項第3号に規定する証券金融会社をいう。)および短資業者(同項第5号に規定する者をいう。)のうち、別に定めるところにより選定した先とする。
4.売買対象
割引短期国債および政府短期証券(以下「短期国債」という。)とする。
5.売戻条件および買戻条件
買入または売却に当っては、買入日または売却日の翌日から起算して6か月以内の確定日に売戻または買戻を行う旨の条件を付する。
6.売買方式
- (1)売戻条件付買入の場合
本行が所有する期間中の利回り(以下「買入期間利回り」という。)を入札に付してコンベンショナル方式により決定し、これにより買入れる方式とする。 - (2)買戻条件付売却の場合
売買対象先が所有する期間中の利回り(以下「売却期間利回り」という。)を入札に付してコンベンショナル方式により決定し、これにより売却する方式とする。
7.売買価格
- (1)買入価格および売却価格
市場実勢相場等を勘案して銘柄ごとに定める。 - (2)売戻価格
売戻価格は、買入価格に、買入価格に買入日の翌日から起算した売戻日までの日数に応じ買入期間利回りを乗じて得た額を加えた金額とする。 - (3)買戻価格
買戻価格は、売却価格に、売却価格に売却日の翌日から起算した買戻日までの日数に応じ売却期間利回りを乗じて得た額を加えた金額とする。
8.売買日、売買金額等
買入日および売戻日または売却日および買戻日、売買金額、売買先、売買の対象とする短期国債の銘柄その他短期国債の売買を行うために必要な具体的事項については、金融市場の情勢等を勘案して売買のつど決定するものとする。
(附則)
この基本要領は、平成11年4月1日から実施する。
別紙2
「短期国債売買における売買対象先選定基本要領」中一部改正
1.を横線のとおり改める。
1.趣旨 この基本要領は、金融調節に関する事務手続の一層の明確化を図る趣旨から、「短期国債の条件付売買基本要領」(平成11年 3月25日政委第42号別紙1.)に規定する売買対象先「政府短期証券の買戻条件付売却基本要領」(平成10年12月15日付政第 252号別紙1.)に規定する売却対象先および「割引短期国債の売戻条件付買入基本要領」(平成10年12月15日付政第 252号別紙2.)に規定する買入対象先(以下「売買対象先」という。)の選定を行うために必要な基本的事項を定めるものとする。
「5.その他」を「(附則)」に改める。
(附則)
この一部改正は、平成11年 4月 1日から実施する。
別紙3
「国債売買における売買対象先選定基本要領」
1.趣旨
この基本要領は、金融調節に関する事務手続の一層の明確化を図る趣旨から、「国債売買基本要領」(平成11年3月25日付政委第43号別紙1.)に規定する売買対象先(以下「売買対象先」という。)の選定を行うために必要な基本的事項を定めるものとする。
2.売買対象先の選定基準等
- (1)売買対象先の選定に当っては、売買対象先となることを希望する先を公募するものとする。
- (2)売買対象先については、(1)の公募に応じた者の中から、次に掲げる要件を満たす先を選定する。
- イ、本行本店の当座預金取引先であること
- ロ、日本銀行金融ネットワークシステムを利用していること
- ハ、信用力が十分であること
- (3)(2)に掲げる要件を満たした先の数が、本行が国債売買の円滑な実施のために適当と認める売買対象先の数を上回る場合には、次に掲げる事項を勘案して売買対象先を選定する。
- イ、利付国債の流通市場における取引高
- ロ、利付国債の流通市場における取引先数
- ハ、利付国債の流通市場における金利情報の市場参加者への提供状況
- ニ、既存の売買対象先については、本行の国債売買における落札実績
3.売買対象先の選定頻度
売買対象先は、原則として年1回の頻度で見直すこととする。
4.売買対象先の遵守事項等
- (1)売買対象先の公募に際しては、次に掲げる売買対象先としての遵守事項を明示するものとする。
- イ、本行の国債売買に積極的に応札すること
- ロ、正確かつ迅速に事務を処理すること
- ハ、金融政策遂行に有益な市場情報または分析を提供すること
- (2)売買対象先が(1)に掲げる事項に著しく背馳した場合には、売買対象先からの除外等の措置を講ずることができるものとする。
- (3)(2)に定める場合のほか、2.に定める基準に鑑み必要と認められる場合には、売買対象先からの除外等の措置を講ずることができるものとする。
(附則)
この基本要領は、平成11年3月25日から実施する。
別紙4
「国債売買基本要領」
1.趣旨
この基本要領は、金融調節の一層の円滑化を図る趣旨から、国債売買(売戻条件または買戻条件を付さない国債の売買をいう。以下同じ。)を行うために必要な基本的事項を定めるものとする。
2.売買店
本店(業務局)とする。
3.売買対象先
金融機関(日本銀行法(平成9年法律第89号)第37条第1項に規定する金融機関をいう。)、証券会社(日本銀行法施行令(平成9年政令第385号)第10条第1項第2号に規定する証券会社および同項第4号に規定する外国証券会社をいう。)、証券金融会社(同項第3号に規定する証券金融会社をいう。)および短資業者(同項第5号に規定する者をいう。)のうち、別に定めるところにより選定した先とする。
4.売買対象
利付国債(発行後1年以内のものを除く。)とする。
5.売買方式
売買対象先が売買の際に希望する利回りから本行が市場実勢相場等を勘案して国債の銘柄ごとに定める利回り(以下「基準利回り」という。)を差し引いて得た値(以下「売買希望利回較差」という。)を入札に付してコンベンショナル方式により決定し、これにより売買する方式とする。
6.売買価格
売買価格は、売買先が売買を希望する国債の銘柄ごとに、基準利回りに5.により決定した売買希望利回較差を加えて得た利回りに基づいて算出した価格とする。
7.売買日および売買金額等
売買日、売買金額、売買先その他売買を行うために必要な具体的事項については、金融市場の情勢等を勘案して売買のつど決定するものとする。
(附則)
- (1)3.の規定は、平成11年3月25日から実施する。
- (2)3.以外の規定は、3.に規定する売買対象先の選定事務手続が終了した日から実施する。
以上