ITを活用した金融の高度化の推進に向けたワークショップ報告書
2016年10月20日
日本銀行金融機構局
金融高度化センター
要旨
本報告書は、2015年12月~2016年7月に開催された「ITを活用した金融の高度化の推進に向けたワークショップ」(以下、第二期WS)の議論の模様をまとめたものである。
金融機関がITを活用して金融の高度化を推進するうえで重視すべき視点として、顧客ニーズに沿ったサービスの創造が挙げられる。また、ITを活用して顧客にとっての付加価値向上を実現するためには、アジャイル開発等の新しい能力(ケイパビリティ)や他の主体との連携が必要となる。
欧米との金融環境の違いを踏まえると、日本の金融機関におけるFinTech活用は、PFMや法人向け経理事務の効率化の分野から進展すると考えられる。また、そうした分野で、APIの公開等による金融機関とFinTech企業の連携が進み始めている。このため、第二期WSでは、今後の拡大余地が大きい企業の経理事務効率化とそれに伴う商流情報の活用を中心に議論を行った。
今後、金融機関が行うべき具体的施策には、「PFMとの連携による個人向けインターネットバンキングの利用促進」や「クラウド会計や金融EDIを利用した法人向け金融サービスの高度化」が考えられる。また、インターネット等を経由した新たな金融サービスの拡大とともに、店舗、人材、ITガバナンスに関するこれまでの経営方針の変更が必要となる。さらに、今後の課題としてデータを活用するうえでの様々な問題の克服とともに、サイバーセキュリティへの対応が求められる。
ITを活用した金融の高度化の推進に向けたワークショップ資料等
- 第1回:求められる金融ITの変革(2015年12月17日開催)
- 第2回:ネットビジネスから考える銀行サービスのあり方(2016年2月12日開催)
- 第3・4回:商流情報を活用した金融の高度化(2016年3月11日、4月26日開催)
- 第5回:金融機関によるFinTechへの取組み(2016年6月10日開催)
- 第6回:FinTechと連携した金融の高度化(2016年7月28日開催)
照会先
金融機構局金融高度化センター
E-mail : caft@boj.or.jp