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「中期経営計画(2019~2023年度)」の事後評価について

2024年3月22日
日本銀行

1.はじめに

日本銀行は、2019年3月に「中期経営計画(2019から2023年度)」を策定・公表し、取り組みを進めてきた。今般、計画期間の終了を迎えるに当たり、この5年間の主な環境変化を踏まえつつ、以下のとおり、本計画のもとでの取り組みを振り返った。

2.外部環境とそのもとでの日本銀行の取り組み

まず、本計画策定時点で生じておらず、この間の経済・社会活動に大きな影響を及ぼした環境変化として、新型コロナウイルス感染症の拡大が挙げられる。

これに対して、日本銀行は、2020年以降、政策・業務運営および組織運営面で必要な施策を講じながら、新型インフルエンザ等対策特別措置法が定める指定公共機関として、国民生活及び国民経済の安定の確保のため、中央銀行として必要な業務の継続を確保してきた。

また、本計画の策定に当たって認識していた外部環境の中でも、変化のスピードが増し、中央銀行の政策・業務運営への影響が目立った動きも挙げられる。具体的には、デジタル化等の情報技術の進歩などに伴う影響と、「持続可能な開発目標」(SDGs)への取り組み意識の高まりである。

この点、例えば、中央銀行デジタル通貨(CBDC)や気候変動問題に関して、各国中央銀行による対応への関心や期待が高まるもとで、国による濃淡はあるものの、様々な取り組みが進められている。そうしたもとで、日本銀行では、取り組み方針の公表により、それぞれの課題に対する考え方を明らかにし、具体的な取り組みを着実に進めてきた。

以上の点を含め、様々な外部環境の変化のもとで、日本銀行は、本計画で掲げた諸課題への取り組みを着実に進めてきたと考えている。なお、計画期間中の各年度における具体的な取り組みとその達成状況等については、該当する年度の「業務概況書」で説明している。

3.今後の取り組みに向けて

中央銀行の政策・業務運営を取り巻く環境をみると、新型コロナウイルス感染症の拡大の期間を経て、2.で指摘した動きのほかにも、大きな変化が生じている。すなわち、経済・金融の面で、グローバルに低インフレと低金利環境からの変化が生じているほか、国内では、自然災害の激甚化等の影響も目立っていることなどである。

このように外部環境を巡る不確実性が高まっているもとで、日本銀行の政策・業務が直面する課題は、拡がり、また複雑化している。こうした動きに的確に対応していく点も踏まえ、日本銀行は、本日、「中期経営計画(2024から2028年度)」を決定・公表した。日本銀行としては、新たな計画のもとで、必要な取り組みを着実に進めていきたいと考えている。

照会先

政策委員会室経営企画課

Tel : 03-3277-2390(直通)